「コマンドライン」という言葉を聞いたことはありますか?
黒い画面に白い文字を打ち込んで操作する、ちょっと難しそうに見えるアレです。
「え、そんなの触ったことないし…」「間違えたらパソコン壊れちゃうんじゃない?」と思われる方も多いでしょう。特に40代〜50代の方で、普段はインターネットやメール、Excelくらいしか使わないという方には「自分には関係ない世界」と感じるかもしれません。
でも実は、最近は AI(人工知能)があなたの代わりに操作を手助けしてくれる時代になってきました。
その代表例が「Codex CLI」。AIに「やりたいこと」を日本語で伝えると、自動でコマンドを生成してくれるツールです。
この記事では、
- CLIって何?
- なぜ便利なの?
- Codex CLIやその他のAIツールで何ができるの?
- 初心者でも安心して触れる方法
をわかりやすく解説します。この記事を読み終えるころには「CLIって意外と便利そうだな。ちょっと試してみようかな」と思っていただけるはずです。
CLIってなに?
まずは基本から。「CLI」とは Command Line Interface(コマンドラインインターフェース) の略です。
難しく聞こえますが、要は「文字を使ってパソコンに命令する方法」のこと。
普段、私たちは「マウスでクリック」や「アイコンをダブルクリック」してパソコンを操作していますよね。これを グラフィカルユーザーインターフェース(GUI) といいます。
一方CLIでは、アイコンをクリックする代わりに、こんなふうに文字で操作します:
dir
これは「この場所にあるファイルやフォルダを表示して」という命令。
Windowsなら「コマンドプロンプト」、Macなら「ターミナル」というアプリを開けば入力できます。
つまりCLIは、見た目がシンプルなだけで「やっていることは同じ」。GUIが絵で伝えるのに対し、CLIは文字で伝えるだけなんです。
CLIはなぜ便利なのか?
「でも、クリックのほうが簡単じゃない?」と思われる方もいるでしょう。確かに1つや2つのファイルならマウス操作で十分です。
しかし、次のような場面ではCLIのほうが断然便利です。
- 大量の写真を一瞬で整理
→ フォルダ分けや名前変更をまとめて処理できる - 特定の文字を含むファイルを探す
→ 数百のファイルから一発で検索できる - 同じ作業を繰り返す時
→ 「命令」を保存しておけば、次から一瞬で再利用可能
40代〜50代の方に例えると、CLIは「昔のテレビのチャンネルをリモコンで一発操作できるようにする感覚」に近いです。マウスで一つ一つクリックするより、CLIで命令したほうが早いことが多いのです。
CLIって難しい?
ここまで聞いて「便利そうだけど、英語っぽい文字を覚えるのは無理」と感じた方も多いはず。
確かにCLIの最大のハードルは「コマンドを覚えなきゃいけないこと」です。
例えば:
cd
… フォルダを移動するls
… MacやLinuxでファイル一覧を見るdir
… Windowsでファイル一覧を見る
こうした命令をいちいち覚えるのは大変ですよね。
そこで登場するのが AIを使ったCLI支援ツール です。
Codex CLIとは?
「Codex CLI」とは、OpenAIが開発した CodexというAIを利用してCLIを操作できるツール のことです。
どういうものかというと、CLIで難しい命令を覚えなくても、AIに日本語で伝えるだけでOKという仕組み。
例えば:
「このフォルダにある写真を日付ごとに分けたい」
とAIに伝えると、自動で正しいコマンドを作ってくれるのです。
つまりCodex CLIは「黒い画面を操作するのが怖い人」の強い味方。AIが翻訳者のように、あなたの「やりたいこと」をコンピュータ用の命令に変換してくれるのです。
他にもある!便利なAI CLIツール
Codex CLI以外にも、CLIを使いやすくするAIツールがあります。
- GitHub Copilot CLI
→ プログラミングや開発者向けに便利。英語で命令を書かなくてもAIが補完してくれる。 - ChatGPTを使ったコマンド生成
→ 「こういうことをしたい」と質問すると、AIが具体的なコマンドを提案してくれる。 - シェル補助ツール(例:Fig、Warpなど)
→ CLIの入力補助をしてくれる便利アプリ。候補が出るから覚えなくてもOK。
これらを組み合わせれば、CLIは「上級者専用ツール」から「初心者でも安心して使える便利ツール」に変わります。
初心者でもできる!簡単な実用例
ここで、PCに疎い方でも試せる実用例をいくつかご紹介します。
1. ファイルや写真を整理
dir
で今いる場所のファイルを確認。
mkdir new_folder
で新しいフォルダを作る。
これだけで「写真をまとめる場所」を作れます。
2. 探したいファイルを見つける
find . -name "旅行*.jpg"
と入力すると、「旅行」という名前を含む写真だけを探し出せます。
3. ExcelやCSVデータを確認
head data.csv
と入力すると、データの最初の数行だけを表示。大量のデータを開かなくても中身を素早くチェックできます。
CLIを始めるにはどうすればいい?
難しい設定は不要です。パソコンに標準で入っているソフトを開くだけでOK。
- Windowsの場合:「コマンドプロンプト」または「PowerShell」
- Macの場合:「ターミナル」
これを開いて、まずは
dir
(Windows)
または
ls
(Mac)
を入力してみましょう。これが最初の一歩です。
よくある不安と安心ポイント
- 「間違ったらパソコン壊れない?」
→ 基本的なコマンドを打つだけでは壊れません。安心してください。 - 「英語がわからない」
→ Codex CLIやChatGPTを使えば、日本語で指示しても大丈夫。 - 「インストールが不安」
→ まずは標準のターミナルを触ってみるだけで十分。慣れてからAIツールを導入しましょう。
まとめ
CLIは一見「パソコン上級者だけの世界」に見えますが、実は誰でも使える便利な道具です。そして今はAIがサポートしてくれるので、難しいコマンドを覚えなくても安心。
- CLIの基本は「文字で命令すること」
- AIツール(Codex CLIなど)があれば初心者でも簡単
- 写真整理や検索など日常でも活躍する
まずは怖がらず、ターミナルを開いて「dir」や「ls」と打ってみましょう。それが、AI時代の新しいパソコン活用の第一歩です。
コメント