- AIで社内FAQのたたき台を作る方法|初心者向け手順
- 社内FAQをAIで作成する方法と確認ポイント
- AIで問い合わせ対応を整理する社内FAQ作成術
AIで社内FAQを作成する結論
AIで社内FAQのたたき台を作るなら、問い合わせ履歴や社内ルールを「質問・回答・対象者・根拠」に整理してから、AIに表形式で分類させる方法が分かりやすいです。AIは下書き作成や似た質問の整理を得意としますが、社内ルールの正しさや公開範囲を判断する担当者の確認は欠かせません。
この記事では、AIに渡す情報の整え方、実際に使えるプロンプト、回答の確認方法、運用を続けるための更新ルールまで説明します。
❓ 初心者の疑問
AIに資料を渡せば、そのまま社内FAQとして公開できますか? そのまま公開するのは避けましょう。AIの回答には誤りや古い情報が混ざることがあるため、担当者が根拠と対象者を確認してから公開します。
社内FAQのたたき台作りにAIを使う理由
社内FAQは、問い合わせに答える文章をゼロから書くよりも、過去の質問を似た内容ごとにまとめるところで時間がかかります。AIに任せると、長い問い合わせ履歴から共通する質問を見つけたり、回答を短く整えたりできます。
ただし、AIに任せる範囲は「整理と文章化」までに留めるのが安全です。就業規則、経費精算、個人情報、契約など、間違えると影響が大きい内容は、必ず社内の正式な資料や担当部署と照合します。
📘 用語メモ
たたき台とは、完成前の確認用原稿です。社内FAQでは、質問の分類や回答文を仮に並べた状態を指します。
先に決める4つの項目
AIへ問い合わせ文を貼り付ける前に、次の項目をそろえます。
| 項目 | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 対象者 | 誰が読むFAQか | 新入社員、営業部、全社員 |
| 範囲 | 何について答えるか | 経費精算、アカウント申請 |
| 回答の形式 | どの長さ・表現にするか | 3行以内、手順は番号付き |
| 根拠 | 何を正しい情報とするか | 就業規則、社内ポータル、担当部署 |
対象者が曖昧だと、「申請画面を知っている人向け」の回答と「初めて申請する人向け」の回答が混ざります。最初は範囲を広げすぎず、1つの業務に絞ると確認しやすくなります。
💡 ポイント
最初のFAQは「経費精算」など1テーマに絞り、10〜20件程度の質問から試すと、回答の品質を確認しやすくなります。件数は作業量の目安であり、会社の規程や担当者の確認体制に合わせて調整してください。
AIに渡す情報を整える
個人名、顧客名、社員番号、メールアドレス、契約金額など、FAQに不要な情報は先に削除または置き換えます。たとえば「田中さんが4月に申請した交通費」は、「社員が申請した交通費」のように一般化します。
次に、問い合わせを次の形にそろえます。
質問: 立替払いした交通費はどこから申請しますか?
現在の回答: 経費精算システムの「交通費」から申請します。
根拠: 経費精算マニュアル 2026年4月版 3ページ
対象者: 全社員
根拠が分からない回答は、空欄のままにして「要確認」と印を付けます。AIに不足情報を推測させるより、確認待ちとして残す方が安全です。
⚠️ 注意
個人向けChatGPTなどに社内情報を入力する前に、会社の利用規程とアカウントのデータ設定を確認してください。OpenAIは、ChatGPT BusinessやEnterpriseなどの業務向けワークスペースでは、組織のデータをデフォルトでモデルの学習に使わないと説明していますが、管理者の設定や契約、利用するサービスによって扱いが異なります。
そのまま使えるプロンプト例
次のプロンプトに、匿名化した問い合わせ一覧を追加します。
あなたは社内ヘルプデスクの編集担当です。
以下の問い合わせ履歴から、社内FAQのたたき台を作ってください。
目的:
- 新入社員でも読める回答にする
- 似た質問をまとめる
- 根拠がない内容は推測せず「要確認」と書く
出力形式:
1. FAQ番号
2. 質問(検索しやすい短い文)
3. 回答(最初に結論、その後に必要な手順)
4. 対象者
5. 根拠または確認先
6. 要確認事項
ルール:
- 1つの回答は200文字以内を目安にする
- 社内用語には簡単な説明を付ける
- 問い合わせにない事実や期限、金額を追加しない
- 回答が矛盾する場合は統合せず、違いを説明して確認待ちにする
問い合わせ履歴:
(ここに匿名化した情報を貼り付ける)
AIが作成した後、「回答の根拠がない項目だけを一覧にして」「似ているFAQを統合する前後で示して」と追加依頼すると、確認作業がしやすくなります。
生成結果を確認する手順
- 質問文だけを読んで、社員が検索しそうな言葉になっているか確認する。
- 回答の各文を、社内規程や公式マニュアルと照合する。
- 期限、金額、対象者、申請先など、間違えると困る情報を重点的に確認する。
- 「要確認」「例外あり」「担当部署へ確認」となっている項目を担当者へ回す。
- 実際の利用者に1〜2件検索してもらい、質問が見つかるか確認する。
- 承認日と改訂日を付けて、社内FAQへ公開する。
✅ チェックリスト
公開前に、質問の重複、回答の根拠、対象者、機密情報の除去、担当部署の承認、改訂日を確認しましたか?
うまくいかない例と改善方法
✖ 失敗例
「社内FAQを作って」とだけ依頼し、会社名や部署名、回答の長さ、根拠の扱いを指定しない。
この依頼では、AIが一般的な会社のルールを補ってしまう可能性があります。FAQの目的、対象者、出力項目、推測禁止のルールを先に書きましょう。
✔ 改善例
「新入社員向け」「経費精算だけ」「回答は200文字以内」「根拠がない内容は要確認」と条件を明示し、質問・回答・根拠を分けて出力させる。
回答が長い場合は、単に「短くして」と頼むだけでなく、「結論1文、操作手順3項目、注意点1文」のように構造を指定すると読みやすくなります。
社内FAQを古くしない運用
FAQは作った時点で終わりではありません。制度や画面が変わると回答も古くなるため、各項目に担当部署、根拠資料、最終確認日を持たせます。
月1回などの頻度で、問い合わせが増えた項目と「解決しなかった」項目を確認します。更新時は、AIに古い回答と新しい規程を比較させることもできますが、公開判断は担当者が行います。
ChatGPTへファイルをアップロードして整理する場合は、プランごとのファイル容量や利用上限も確認が必要です。OpenAIのFile Uploads FAQでは、ファイル形式やプランによって制限が異なり、1ファイル512MBなどの上限が案内されています。大きな社内資料は、必要な章だけに分けると扱いやすくなります。
まとめ:最初は小さなFAQから始める
AIで社内FAQのたたき台を作るときは、問い合わせを匿名化し、対象者・範囲・回答形式・根拠を決めてから依頼します。AIには分類と文章化を任せ、事実確認、機密情報、公開判断は人が担当するのが基本です。
👉 次にやること
まずは問い合わせを10件だけ匿名化し、この記事のプロンプトで「質問・回答・根拠・要確認事項」の表を作ってみましょう。